住宅コンサルティングのアネストが行った建築中の住宅検査の現場レポートです。今回の対象住宅は、某大手ハウスメーカーによる軽量鉄骨造です。
■大手ハウスメーカーだからと言って信頼できない住宅もある
誰もが知っている大手ハウスメーカーならば大丈夫だろうと考えている人は多いですが、現場で住宅検査を行っていると施工不良が見つかり指摘されるケースは決して少なくありません。地場の工務店や低価格な建売住宅に比較すれば、指摘事項が少ないのは事実ですが、管理の悪い現場では基礎から完成までの間、指摘が絶えないこともあります。
■基礎配筋工事が雑だった
基礎の配筋工事の検査のときに、必要な定着長さをとれていないという指摘があがっていました。その他の基礎工事は概ね問題なく進んでいたのですが、基礎配筋工事で大事な指摘があがる状況ですから、監理体制は心配される状況だったと言えます。
■配管工事の施工ミスが見つかる
基礎配筋検査よりも後の工程の検査のときですが、基礎的な指摘が見つかりました。それが以下の写真の配管です。
これは排水管です。排水するためには水が流れるだけの勾配が必要ですから、配管は斜めに設置されなければなりません。多少の距離ならば水圧で流れるかもしれませんが、勾配は必須事項です。この箇所では、7mもの距離を勾配なしで設置していましたので、明らかに施工上の問題があります。
勾配不足の排水管では、水が流れづらくなり、配管内部で詰まりが生じるリスクが考えられます。トイレの排水管もつながれていたため、詰まると大変なことになります。また、上階からの排水管もつながれている個所であるため、流水量も多いところで、逆流などの心配もあります。
■補修後の再検査で確認
前述した配管の勾配について、施工会社による補修工事の完了後に再検査を行っています。その際には、勾配が確保されていることを計測して確認しました。
この住宅では、他にもいくつか指摘がありましたが、大手だからと言って過信できないことを改めて学ぶ現場でもありました。
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