住宅コンサルティングのアネストが行った建築中の住宅検査の現場レポートです。今回の対象住宅は木造2階建ての建物で、中堅ハウスメーカーが建築しているものです。
住宅検査時点の建築工事は、外壁面などの断熱材の施工が完了しており、主に断熱工事の施工品質を検査する目的で現場へやってきました。外壁面の断熱工事の検査をするためには、室内側の壁のボード(下地材)が施工される前に確認しなければなりません。
壁面に見える白いものが断熱材です。この住宅では、発泡性の断熱材が選択されています。柱と柱の間に隙間無く丁寧に充填していること、そして断熱材の厚みが確保されていることが大変重要です。
こちらの物件では、大変丁寧に断熱材が施工されており、全ての壁面において隙間もなく厚みも確保されていることが確認されました。
次に屋根面です。まだ天井板が施工される前ですから、このように室内から屋根裏スペースを見渡して確認することができます。外壁面と同じように屋根の下地材である野地板に丁寧に断熱材を吹き付けており、隙間もなく問題ありません。
断熱材の施工が丁寧であっても、よく不具合がおこるポイントとしてコンセントボックス周りがあげられます。断熱欠損をつくらないようにコンセントボックスの裏側にもしっかり充填する必要があるのですが、これを怠る現場は多いです。しかし、この住宅ではこの点も問題なく施工されており、安心できるものでした。
上の写真は浴室の基礎断熱と配管の写真ですが、これを見て何が問題であるかわかりますか?これは前回の検査時に指摘した箇所の写真(前回の検査時点の写真)です。これが今回の検査時には指摘に対応済みであり、以下のようになっていました。
写真を見比べればわかりやすいですね。前回は配管周りに隙間があり、断熱欠損となっていたのです。その指摘への対応が完了していることを確認したところです。前にあげたコンセントボックスもそうですが、この写真のような配管周りなども断熱施工には注意が必要です。断熱工事の検査の大事なチェックポイントです。
今回の検査では、透湿防水シートの検査も実施できました。防水シートは外壁内に侵入してきた雨水が建物内部へ入っていくのを防ぐ役割をもつ重要なものです。防水シートの適切な施工方法はまたの機会に触れますが、シートの重ねしろやサッシ周りなどの施工状況を確認し、問題ないものでした。
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